移住検討時に活用するべき移住支援制度とは?
Iターン移住とは?まったく新しい環境に身を置いて暮らす移住
こんにちは、まつきおです。皆さんは「Iターン(アイターン)」をご存じでしょうか?Iターンとは、主に都市部に住んでいる人が、仕事や生活の拠点を地方に移すことをいいます。これは出身地とは異なる地方へ移住し、まったく新しい環境で生活を始めることです。わたしもここ山口市阿東へ「Iターン移住」を数年前にしてやってきました。
Iターン以外にもある!UIJターンといわれる移住の形
この〇〇ターン移住は他にもUターン、Jターンというものがあります。「Uターン(ユーターン)」は都市で生活していた人が、故郷や地元に戻って移住することです。それまで培ってきた都市での経験やスキルを活かしながら、地方で新たな生活をスタートさせる点が特徴です。出発地点から到着地点まで一方通行のI、出発地点から一度離れるものの最終的には出発地点と同じところへ戻るU…アルファベットで表しているのに気づきましたか?さあ、残るJターン(ジェイターン)!皆さんどんな移住のカタチかわかりますか?…答えは都市で暮らしていた人が、故郷ではなく、その近くの地方中核都市に移住することです。都市の利便性を保ちながらも、故郷や地元に近い環境で暮らしたい!というニーズに応える移住です。
ライフスタイルの劇的ビフォーアフター
30年近く東京で生まれ育ったわたしにとって、親戚も友人もいない見ず知らずの土地、住み慣れた東京から約927km離れた「山口市阿東」へ、Iターン(可愛い子には旅をさせよ?の単身!そんでもって転職!というライフスタイルの劇的ビフォーアフターレベル!といっても過言ではありません)、そんな移住はもちろん不安なことだらけでした!
でも、こうして阿東で楽しく暮らし始められたのは、地域の方の受け皿の大きさはもちろんのこと、さまざまな移住や転職に対する支援制度があったからかもしれません。
この記事では実際に阿東へIターン移住してきたわたしが、移住や転職(就職)の際に情報収集・活用した移住支援などを交えてご紹介します!ぜひ、今地方移住を検討している方は、気になる地域にどのような移住支援制度があるのか、チェックしてみてくださいね!
そもそもIターン移住をはじめとする地方移住がアツいのはなぜ?
移住=暮らしの拠点をかえることですが、そもそもなぜIターン移住をはじめとする地方移住というキーワードを耳にする機会が増えているのでしょうか?地方で暮らすことでのメリットをご紹介します
「生活コストの削減により懐もこころもゆとりを増やせる」
低い物価と家賃
地方では都市部に比べて物価が安く、家賃も低い傾向があります。そのため生活費全体が大幅に削減され、同じ収入でも都市部より余裕を持った生活ができる傾向にあります。空き家が多い地方では、住んでくれる人がいたら助かる!と家主さんとの交渉次第では「家賃0円~5000円」なんてことも!都市部ではありえない!
「海や山といった自然豊かな環境に囲まれての暮らし」
土からすぐ食卓へ!とれたて新鮮な産直食材たち
新鮮な海の幸や地元で採れた山の幸を日常的に楽しむことができ、土から食卓までの距離が短くなります。自然の美しい景色を楽しみながら、とれたて新鮮な質の高い食材を取り入れた健康的な食事ができます。そして四季折々の自然を感じながらの生活は、心身の健康を促進し、充実した毎日を過ごすことができます!
秋の味覚まつたけが有名な山口市阿東、山が近いからできるぜいたくな食事
阿東では秋になるとまつたけが収穫できるのですが、豊作の年には産直のまつたけをぜいたくに七輪で焼いてお腹いっぱい食べることもできます!(わたしはその年は一生分のまつたけを食べたのではないか、と思うほど食べました)ただ、年々少子高齢化により山を管理できる人が減ってきていることや、地球温暖化による気候変動で以前より収穫できないという声も聞きます。
「都市部では得られない地域コミュニティとのつながり」
など、地方移住によって得られるであろうメリットはたくさんあります。(もちろん自然が近い分、虫をはじめ生き物と距離が近いため虫が苦手な人にはデメリットになることも…近年は獣害被害も増えてきています)
わたしの場合は[Iターン移住をしよう!」を決意・情報収集をしはじめた矢先、新型コロナウイルスの発生・拡大となり、緊急事態宣言(今となってはなつかしさすら感じるキーワード)で身動きがとれなくなってしまったため、移住先についての情報収集源はもっぱらWebサイトでした。わたしが移住を決意したきっかけは、新型コロナウイルス感染拡大でありません。しかし、このコロナ感染拡大を起点に都市部での暮らしに疲れ、地方移住を検討した人(実際に移住につながっているかどうかは別として)は少なくないでしょう。
新型コロナウイルスの影響からテレワークやリモートワークが急速に普及した結果、パソコン1台・インターネット環境があれば働くことができるようになったことが、地方移住を後押ししたのではないでしょうか。
移住支援:スムーズに新生活を始めるために移住検討者が利用すべき支援の例
地方自治体による移住支援制度は多岐にわたり、移住者が新しい生活をスムーズに始めるためのサポートが充実しています。ここ山口市を一例に移住支援をいくつかご紹介します!
訪問支援(山口市の場合)
山口市UJIターン訪問補助金制度
山口市内への移住を希望される方が行う移住に向けた訪問に必要な交通費及び滞在費を補助
【補助内容】
① 農山村エリアででの就業・起業・就職活動のために訪問する18歳以上45歳未満
[交通費] 補助率:10分の10 上限額:5万円/人
[滞在費] 補助率:10分の10 上限額:7万円/人(補助対象経費:1人1泊あたり1万円まで)
② 登録事業者を訪問する18歳以上45歳未満
[交通費] 補助率:10分の10 上限額:5万円/人
[滞在費] 補助率:10分の10 上限額:5万円/人(補助対象経費:1人1泊あたり1万円まで)
③ 上記に該当しない
[交通費] 補助率:2分の1 上限額:3万円/人
[滞在費] 補助率:2分の1 上限額:5万円/グループ(補助対象経費:1人1泊あたり1万円まで)
YY!ターン支援交通費補助金制度
山口県への移住を希望・検討されている方に、移住活動として実際に山口県へお越しいただき、理解を深めていただくことを目的として、交通費の一部を補助
【補助内容】
上限額:5千円~3万円 ※居住地によって異なる
やまぐちYY!ターンパスポート
移住前の下見などで来県された際の宿泊料金やレンタカー代の割引、移住時の引っ越し料金の割引などが協賛企業から受けられるパスポート
【補助内容】
発行日から3年間有効
YY!ターンコンシェルジュ
山口県へ移住を希望されている方が、安心して移住・定住できるよう、相談の段階から一貫して寄り添って支援するコンシェルジュを県内に配置
就業・起業支援(山口市の場合)
山口市UJIターン者移転費用補助金
山口県外からのUJIターン者で農山村エリアの事業者又は登録事業者に就職する(した)際や、本市で第一次産業に就労する(した)際の引っ越し等に係る費用を補助
【補助内容】
① 補助対象者が45歳未満、15歳未満の扶養者、又は農山村エリアに転入した場合
補助率:3分の2
上限額:20万円
② 上記に該当しない
補助率:2分の1
上限額:20万円
山口市UJIターン若者創業時家賃住宅補助金
県外から転入し1年以内に起業・創業した45歳未満の方に、家賃の一部を最大24ヶ月間補助
【補助内容】
補助率:2分の1
上限額:1か月あたり1万円(最長2年)
山口市UJIターン創業者支援補助金
山口県外に1年以上居住し移住して2年未満又は移住予定者で創業するために必要な経費を補助
【補助内容】
補助率:3分の1
上限額:50万円
移住就業支援金
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/soshiki/86/21177.html
(引用:山口県HP)
山口市UJIターン者移転費用補助金
https://www.sumusumuyamaguchi.jp/taiken/itenhiyou/
(引用:山口市 移住情報サイト すむ住む山口)
30代女性単身(まつきおの場合)がIターン移住の時に活用した移住支援
「百聞は一見に如かず」移住候補地探しに最適な「訪問支援制度」!
移住先を決める時に、一番大事だな…と思っていたのは「百聞は一見に如かず」でした。移住先を決めるために移住候補地を訪れて、何なら数週間でもその土地に身を置いてどんな地域かをみようと思っていたわたしにとって、候補地がたくさんあればあるほど苦しくなるのは交通費や宿泊費。でも、ライフスタイルを180度変える移住だからこそ、妥協はしたくない!そんな時に受けられた支援でありがたかったのがまず「訪問支援制度」でした。
移住前のお試し移住で、移住後のミスマッチを防ぐ
実際に、「YY!ターン(山口県外に在住している人対象で、山口県を移住候補地として移住・定住していただくため、山口県が協賛企業等と連携して移住に伴う経済的負担に対する支援などを行う制度)」を利用し、移住候補地であった山口市阿東へお試し移住の際にはお世話になりました。これにより移住する前に実際に足を運んで地域の雰囲気や人柄などを体感することで、移住後のイメージができミスマッチなく移住することができたと思います。
移住とセットで多くの人が気になる転職(就業)についての支援
ちなみに就業支援については、現在地域おこし協力隊として協力隊制度枠での移住支援や就業・起業支援を受ける対象となっているため、移住時にはその対象とならず利用はしていません。しかしながら、多くの移住検討者の方が、先のリモートワーカー(いわゆる仕事をすでにもって移住先を探してる方)ではなく、移住+企業・転職(就業)のセットが基本のため、就業や企業についても支援が手厚いと助かりますね!
地方自治体によって異なる移住支援制度、移住前に積極的に活用してみよう!
山口市阿東に限らず、各都道府県によって移住支援制度の幅や種類はさまざま!ぜひ、興味のある移住候補地が移住者に対してどのような移住支援を行っているか、要チェック!してみてくださいね!
まとめ
移住=お見合い?良縁を結びためには地域に積極的に足を運ぶことが肝!
「移住ってお見合いみたいなものよ」と阿東に来てまだ間もない頃に、地域の方から頂いた「なぜ阿東に移住を決めたのか」と尋ねられ、きっかけを話したときに帰ってきた言葉があります。「30代で女性単身で見ず知らずの土地へ移住してくるなんて大丈夫?しかもここは田舎で東京よりも魅力もないのに」とも。東京暮らしが嫌いになったわけでもなかったし、新型コロナウイルスにしてやられたわけでもなかったのですが、阿東にある意味「一目惚れ」したわたしは、いろいろな方の支援や支援制度のおかげでこうして阿東で笑って暮らせています。移住者だからこそ気づく阿東の魅力はたくさん!(まだ未来の新郎とのご縁はみえませんが…笑)移住を「お見合い」とするならば、わたしはとてもいい良縁を頂いたと思っています。
全国の移住検討者は年々増加傾向にあり、すすむ?地方移住
ふるさと回帰支援センター
https://www.furusatokaiki.net/
「地方移住に関する調査結果」より参照
https://www.furusatokaiki.net/wp/wp-content/uploads/2021/10/webnews_20211008_furusato_questionnaire.pdf
地方移住を検討している方はふるさと回帰支援センター調べによると、首都圏の移住検討者だけでも約309万人近くいるそうです!しかし具体的に計画している割合は2.1パーセント。「地方で暮らしたい」とということはまだまだお見合いへ至るまでに障害があり、例えば転職への不安がある、もしお見合い(移住)に失敗したらという不安、単身・家族など世帯の違いによる移住のしやすさしにくさなどから、重い腰があがらないのも事実だと思います。それでも、人生一度きり!と新しいライフスタイルへ飛び込んでみたら、新たな良縁に出会えるのではないか?と思うまつきおでした。