こんにちは!山口市阿東町で地域おこし協力隊をしている佐伯です。この記事を読んでいるあなたは、これまで電卓打ったり紙に記録したりしてIT化したいな、業務アプリ入れたいけど自分じゃ作れないし外注で頼むと高いんだろうなと思っていませんか?kintoneというアプリケーションをご存知でしょうか。kintoneとはcybozu社が提供しているクラウドサービスでコーディングが必要なく(コーディングとはソフト開発で使われる用語。プログラミング言語を用いてコンピューターの命令に必要なソースコードというものを記述することを指します。)、業務に必要となるアプリケーションが誰でも作れるようになるというものです。下のリンクがkintoneのホームページです。

僕の身近にもkintoneを活用し業務を改善・改良した団体があります。それが山口県阿東町にあるNPO法人ほほえみの郷トイトイというスーパーです。このスーパーでは移動販売業務にkintoneを利用し、顧客の満足度、売り上げアップにつながった実績があります。また現在行っている送迎サービスではデータをkintoneに集約することによりデータベースのような使い方もしています。NPO法人、個人店舗でkinetoneをどういった活用しているのか、今回は実際の画面を出して紹介したいと思います。
前回の記事ではkintone導入の経緯についてトイトイの代表である高田さんにインタビューした内容を記事にしてますのでぜひ読んでください。

移動販売での活用
移動販売業務では主に3つの目的があり利用しています。1つはお客さんが在宅していたか記録するため。もう1つはお客さんから頼まれた注文品を記録するため。最後の1つはお客さんとの会話を記録するためです。どういうアプリでその目的を実現しているか紹介します。

上の画像は訪問記録のアプリをスマートフォンで起動させた画面です。一部Javascript(プログラミング言語の一つ、UIを作るときに使われることが多い。)でコーディングされているところもありますがこの画面は基本kintoneの機能で作られています。顧客のマスタを別のアプリとして持っており、マスタの情報から顧客名や訪問順などの情報を連携してきています。顧客の名前を探さなくても上から順にならんでいるので移動販売業務の片手間にもできるようになっています。この記録を入れるところをkintoneだとレコードと呼びますが、空のレコードを作る機能はJavascriptでのコーディングによるものです。トイトイではJavascriptのコーディングについては外注しています。ちなみにプログラミングをやってきた僕でも新しいプログラミング言語を学ぼうと思うとそこそこ時間かかります。



上が訪問記録の入力フォームです。ボタンみたいになっている項目で訪問したか、訪問したが不在であったかを確認することができます。他には顧客の氏名が記載されており、これは顧客マスタから参照しています。その下に訪問日時の記録、顧客からの注文品のメモ欄があります。一番下はメモ欄があり、このメモ欄は訪問時に顧客が話したことを記録するために使用しています。話したことを記録することで顧客の趣向や顧客に起きた出来事をスタッフ全体に共有することができます。

集められた情報は最終的に上のような一覧にまとめられ、次の日に伺う顧客の注文品と前回取ったメモが一目でわかるようになっています。この一覧もJavascriptでのコーディングにより普通よりも見やすくなっています。
このアプリの利用により顧客満足度を上げることに成功しています。顧客満足度を上げることにより結果として売り上げアップにもつながりました。
送迎サービスでの活用
トイトイでは利用者の送迎サービスもしており、無料で送迎する代わりにデータを取らせてもらっています。そのデータを蓄積するのにkintoneを活用しています。kintoneはデータ蓄積をするには最適です。

上の画像が実際に蓄積された記録です。誰がいつどこへ行ったかがわかるようになっています。さらには顧客の活動時間および移動距離も記録しています。このアプリについては全くJavascriptを使用していません。kintoneの既存の機能で作成可能です。

上が送迎サービスアプリの内部仕様です。これは一部ですが時間や距離については実際に入力し、顧客の情報についてはマスタとなるアプリを作っておくことで、マスタから引っ張ってくることが可能です。kintoneは作ったアプリ間で連携できるところも優れています。

kintoneでは集めたデータを上のようにグラフとして見ることも可能です。上のグラフだと月別でどれくらい利用者がいるのかわかります。カーソルを合わせると具体的な数値もわかります。こういうデータがあるとイベントがあったときは利用者が多い、雨が多かったり雪が降っていたときは利用者が少ないなど利用者の傾向をつかむことも可能です。こういうグラフもkintoneの既存の機能の一部です。
まとめ
個人的な意見ですがkintoneはデータの蓄積には最適です。kintone上でアプリを作る必要はありますがデータサーバーのような使い方もできます。またkintoneはアカウントごとに権限を持たせることができるので上司に確認をとったりと管理フローが必要な仕事でも使えます。逆に難しいのはトイトイの移動販売アプリのように曜日の連携をさせたり、レコードを自動生成させたり、見やすいよう体裁を整えたりするにはJavascriptの技術が必要になってきます。kintoneの利用自体は比較的簡単ですがJavascriptは一朝一夕ではできません。kintoneは事務仕事に使うようなアプリであればほとんど実現可能だと思います。ただし使っていくうちに自分の思っていたことができないと思うことが出てくるとおもいます。そこは外注で仕上げてもらう必要があります。kintoneも一般企業が使うにはサブスク費用が安くないので(NPO法人にかかる費用はかなり安くなっています)、一度自分がしたいことに見合うか、また一つのアプリで終わるのではなく別に使い道があるか検討したほうがよいと僕は思います。最後に下のリンクがkintoneのNPO法人割引き内容になります。