移住検討で使える移住支援制度まとめ|Iターン移住の手続きと山口市事例(2025年8月版)

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30代単身女性が“見知らぬ土地”へ移住。その背中を押したのは移住支援制度!

 30代の単身女性が、まったく縁のなかった山口県阿東にIターン移住を決めた理由とは?
私は東京で30年近く暮らしてきましたが、人生の大きな転機を迎え、新しい生活を求めて未知の土地へ飛び込みました。知らない土地での暮らしに不安がないと言えば嘘になります。しかし、そんな私の背中を強く押してくれたのが、地域の温かさと「移住支援制度」の存在でした。

この記事では、これからIターンやUIJターンの移住を検討しているあなたに向けて、以下のチェックポイントをおさえつつ、山口県の制度や私の体験を交えてわかりやすく解説します。

✔ 実際に私が活用して助かった移住支援制度の具体例
✔ 地方でのリアルな生活のメリット・デメリット
✔ 仕事探しや地域との関わり方のポイント

 移住は大きな決断ですが、情報と支援を味方にすれば不安はぐっと減ります。あなたの新しい人生の一歩を、この記事が後押しできれば幸いです。

Iターン/Uターン/Jターンとは|あなたに合う移住タイプの見分け方

 まずは移住の種類を簡単に整理しておきましょう!

  • Iターン:都市部出身者が、出身地とは異なる地方に移住
  • Uターン:都市部で働いた人が、出身地に戻る移住
  • Jターン:都市部→地元近くの地方都市へ移住

 私はこの中で「Iターン」組に分類されます。まったくの新天地に飛び込む不安もありましたが、同時に「人生を再構築できる」という希望も持っていました。

なぜ今「Iターン移住」が増えているのか(リモートワーク・コスト面から解説)

親子ワーケーションにて夏野菜(トマト)の収穫体験風景

 「地方移住」自体は昔から存在していたものですが、ここ数年、「地方移住」や「UIJターン移住」という言葉を耳にする機会が増えました。その背景には以下のような社会的変化があります。

コロナ禍が後押ししたリモートワーク、ノマドワーク、ワーケーション

 コロナ禍をきっかけにリモートワークやノマドワーク、ワーケーションといった柔軟な働き方が広まりました。

  • リモートワーク:会社やオフィスに出勤せず、自宅やカフェなど好きな場所で仕事をする働き方。
  • ノマドワーク:パソコンやネット環境を活用し、拠点を持たずに移動しながら働くスタイル。
  • ワーケーション:旅行や休暇先で観光と仕事を組み合わせて過ごす新しい働き方。

 その結果、都市部に縛られない暮らし、つまり「どこで暮らすか」「どんな仕事をするか」を自由に選ぶ人が増えています。実際に山口市阿東でも1泊2日のワーケーションを市の委託事業として受け入れの実施をしています。

生活コストがグッと下がる

 都市部と比べて家賃や物価が安く、広い家や庭付きの物件も手頃な価格で手に入ります。駐車場代や通勤費も抑えられ、食材も地元で新鮮かつ安価に手に入るため、全体的な生活費を大きく節約できます。

エリア間取りタイプ平均家賃(目安)
山口市阿東徳佐下(阿東エリア)総合平均約 4.9万円 (Yahoo!不動産)
宮野エリア(宮野駅周辺)総合平均約 5.4万円 (Yahoo!不動産)
山口市全体総合平均約 5.2万円 (Yahoo!不動産)

 家賃の傾向を見ても、その差は明らか!山口市阿東エリア(阿東徳佐下)の家賃相場は約4.9万円、一方、宮野駅周辺では5.4万円、市の平均は5.2万円といった具合に、阿東の家賃は山口市全体よりもリーズナブルな傾向にあります。一部の移住者の中には、地域の方と交渉してより安値で家を借りている方もいるんだとか…!

自然豊かな暮らしができる

 阿東は四季の風景が美しく、四季折々の旬の産直野菜が手に入ります。高級食材である地物の「まつたけ」、阿東の清流で育った鮎なども秋には産直市場に並びます。まつたけが豊作だった年には、「まつたけ食べ放題」も経験、七輪で焼いて食べた贅沢な日…東京では考えられなかった暮らしです。

地域とのつながりが深い

 都市部ではご近所さんとは挨拶をする程度、もしくは隣の人がどんな人か知らない!ということも多いです。しかし都市部では得難い「人との関係性」が、地方にはあります。道端でのちょっとした立ち話が日常の当たり前の風景だったり、「畑でできたから持っていく?」なんて野菜や食品のおすそわけ文化が残っていたり。「困ったときはお互い様」の精神、これは地方ならではの財産だと思います。

山口市の就業・起業支援一覧|Iターン後の転職・創業で使える制度まとめ

 皆さん、地方移住のメリットを聞いてそろそろ移住をしたくなってきましたか?でも、実際に「移住」へ踏み出す前に、いろいろと移住先の下調べが必要不可欠ですね!私がIターン移住を決めたとき、特にありがたかったのが「訪問支援制度」でした。この支援制度のおかげで、移住前にじっくり地域を見ることができました。

山口市UJIターン訪問補助金

 移住希望者の交通費や滞在費を補助。条件次第で最大12万円(交通費+滞在費)まで支給されます。

例:農山村エリアでの仕事探しのための訪問(45歳未満)
→ 交通費:全額補助(上限5万円)/滞在費:全額補助(上限7万円) 

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やまぐちYY!ターンパスポート

やまぐちYY!ターンパスポート

 山口県外に住み、山口県への移住や定住を検討する方を対象に発行される制度で、移住に伴う経済的な負担を支援するための「パスポート」です。協賛企業との連携により、さまざまな優待サービスを受けることができます!県外からの移住検討者向けの支援パスで、宿泊・レンタカー・引っ越し料金などに割引が適用されます。なんと発行日から 3年間有効なので、移住前だけでなく、移住後の生活にも利用可能なんです!

大都市圏から山口へ!移住就業された方へ移住支援金を支給します!(山口市HP)

YY!ターン支援交通費補助金

YY!ターン支援交通費補助金では、訪問時の交通費を一部補助する制度

 山口県に訪問する際の交通費を一部補助(5,000円~3万円)。距離に応じて支給されるため、全国どこからでも対象になります。

地域おこし協力隊も移住後の転職もあり!

 また、転職先の一つとして「地域おこし協力隊」も注目されています。私自身も地域おこし協力隊の制度を活用して移住と転職を成功させました!地域おこし協力隊とは、自治体が募集する地域活性化のための職員的な役割で、地域課題の解決やイベント企画、移住促進など多様な業務に携わります。Iターン移住者にとっては地域に深く関わりながら仕事ができる貴重な機会であり、自治体によっては隊員向けの住居支援や活動費補助も用意されています。興味がある方は山口市や山口県の公式サイトで募集情報をチェックしてみましょう。

訪問支援が“ミスマッチ移住”を防いでくれた

山口大学生のリノベーション部とのコラボでDIYした古民家

 私が阿東に初めて来たとき、「訪問支援制度」を使って数日間滞在しました。実際に地域を歩き、話し、暮らしを肌で感じたからこそ、「ここでならやっていけそう」と思えたのです。

 移住は人生の大きな選択。パンフレットやWebサイトだけではわからない“空気感”を知るには、訪問支援を使った現地滞在が必須だと実感しています。

Iターン×転職の不安も、支援制度でカバー!

 移住後の暮らしで多くの人が不安に思うのが「仕事」。山口市では、以下のような就業・起業支援制度があります。

支援対象内容概要補助率・上限額
UJIターン創業者支援補助金(山口市)移住者・移住予定者が創業するための経費を支援(機械・設備、店舗改修など)
UJIターン創業者支援補助金(山口市HP)
補助率:1/3
上限:50万円
創業広告支援補助金(山口市)Webサイト・チラシ・SNS広告など広報費用を支援
創業広告支援補助金(山口市HP)
補助率:1/2
上限:10万円
UJIターン若者家賃補助金(山口市)移住後1年以内に創業した45歳未満対象、賃貸家賃を補助
やまぐち創業補助金(やまぐち創業の窓HP)
住むすむ山口HP
月額1万円、最大24ヶ月(最大24万円)
あきないのまち支援事業補助金(山口市中心市街地)空き店舗での改装費用を補助(飲食/小売/事務所)
街づくり山口HP
補助率:1/2
上限:100〜150万円(年齢や業種で増額あり)
創業補助金(山口県)HP地域課題解決を目指す社会的事業の創業者支援
山口県HP
補助率:1/2
上限:200万円
専門人材移住就業支援金(山口県)首都圏などからの移住者が県内で勤務する場合に支給
山口県HP
単身:30〜60万円/世帯:50〜100万円

 初めての地域や職場に飛び込むとき、不安を感じるのは自然なことです。しかし山口県や山口市では、移住者向けの就業相談窓口や、企業とのマッチングイベント、職業訓練などが整っています。こうした制度を活用すれば、自分のスキルや希望に合った仕事探しをスムーズに進められますね!

移住は「お見合い」!?事前準備が縁を決める

移住は「お見合い」!自分にマッチした地域に移住できたら楽しい!

 阿東に来てすぐ、ある地域の方からこう言われました。

「移住ってお見合いみたいなものよ。お互いをよく知らずに結婚(移住)したら、うまくいかないでしょ?」

 まさにその通りでした。自分の価値観と地域の空気が合うかどうかは、“実際に足を運んでみる”ことでしかわからない!支援制度を活用して候補地を見て回る。それが良縁(=よい移住先)と出会うための第一歩といえますね。

移住支援制度は自治体によって違う!調べ方と注意点

 移住する人に対してメリットのある移住支援制度ですが、市町村単位で内容が異なるため、必ず現地自治体のHPを確認しましょうね!

山口県のおすすめの情報収集先:

 さらに「移住支援 制度 ○○市」などで直接検索するのも効果的。支援内容は年ごとに更新されるため、最新情報を必ずチェックしてみましょう!

移住は“人生再設計”のチャンス!まずは支援制度を活用しよう

 私が阿東にIターン移住できたのは、地域の方の温かさと、制度の力に支えられたからです。地方移住を考えているけれど「お金」「仕事」「情報」が不安で動けない…という人は、まずは支援制度をフル活用して“お試し訪問”してみてください!移住は、「合う・合わない」が大きい選択。だからこそ、事前に知り、見て、感じることが何より大切ですよ。


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