こんにちは、山口市阿東の地域おこし協力隊の佐伯です。今回はNPO法人ほほえみの郷トイトイの事務局長で、各地で地域づくりの支援を行っている高田新一郎さんにインタビューをし、コミュニティ動員とモチベーション向上について解説していただきました。インタビューの内容をまとめましたのでぜひ一読ください。
下の2つの記事「①ビジョンの設定」、「②アクションプランの作成」は、先に実施されたインタビューの内容になります。読んでおくと今回の記事がより理解できると思います。まだ読まれてない方はそちらを先に読まれることをおすすめします!


コミュニティへの動員方法について
Q.今回の内容は地域コミュニティ活性化への取り組みです。まずはコミュニティに動員させるためには何をする必要があるのか教えてください。
A.前のインタビューではアクションプランの作成を説明しました。アクションプランを作成したからといって住民全員がすぐについてきてくれるわけではありません。まずはアクションプランの内容を自分事と思ってもらうためにアクションプランの内容に関心を持ってもらう必要があり、そのためにどんな年齢層にも関心を持ってもらえる項目を設けるよう見直してください。アクションプランに関心を持つことが住民一人一人のモチベーションに繋がります。そのモチベーションでついてきてくれるようになります。
Q.それではなぜコミュニティの動員を促す必要があるのでしょうか?
A.結論から言うと地域創生のためです。地域創生には実際にアクションプランを実行し住民全員についてきてもらう必要があります。住民が積極的に地域行事に複数回参加することはとても効果的で、地域にとっての特効薬になります。それも地域づくり協議会が開催するような定例的なものでなく自分たちで企画し興した行事・イベントでなければなりません。これが地域創生につながります。ただ行事・イベントの企画には時間がかかり、仕事や家族のことなどで時間がない人たちは乗り気にならないでしょう。積極的になって動いてくれるのは時間があるお年寄りだけです。
Q.では住民全員に乗り気になってもらうにはどうしたらいいのでしょうか?
A.まずアクションプランに関心をもってもらう必要があります。ただ内容すべてに関心を持ってもらう必要はありません。プランの一部でも関心を持ってもらえればいいです。関心を持ってもらえるアクションプランを作成するには、その地域の特色を把握しておく必要があります。それに地方は地域のつながりが強いため、地域のキーマンに関心を持ってもらい、地域全体のモチベーションをプラスにもっていくことが大切です。逆に言えばキーマンに関心を持ってもらえないならすごいアクションプランを作ったとしても意味がありません。
地域住民のモチベーションを上げる方法について
Q.アクションプランに関心を持ってもらい地域のモチベーションを上げることが大切なんですね。アクションプランは誰から話を持ち出せばいいのでしょうか?
A.アクションプランを地域に持っていく際には地域のリーダーが好ましいです。今後地域のリーダーになりえる人が複数回にわたって話を持っていくのでも構いません。ただし誰がアクションプランを説明するにもリスクを考えておく必要があります。リスクというのはある程度反対されることを考えておくということです。中には計画半ばで足を引っ張ってきたり、クレームをつけてくる人もいます。そういうことも含めて初めに対処法を考えておきましょう。
Q.アクションプランを説明するためにはワークショップを開く必要があると思います。ワークショップを開く際に気にかけることはありますか?
A.ワークショップを開く際はその地域の住民中心で行い、ファシリテーターも誰かすごい人、有名な人を連れてくるのではなく地域のリーダーを育てることを考えるようにしてください。またワークショップの議題はアクションプランについて住民に問いかけるようにし、ワークショップではリーダー・ファシリテーターはアクションプランについて賛成寄りでいるよう心がけてください。最後にワークショップでの問いかけは意見を二分するものではいけません。みんなが揃って一方向を向けるような問いを投げかけてください。例えば「幸せになりたいですよね?」と問われたら幸せになりたくない人なんてほとんどいませんよね。悪い例としては「公民館を建てようと思いますがいいですか?」と問われると賛成もいたら反対もいるでしょう。公民館を建てるにしても、「幸せになりたいですよね?地域のみんなが幸せになってもらうために地域で催しを考えていて、そのために公民館を建てる必要があります。」と問いかけることでみんなで賛成の方向に向けるようになります。私が少年野球のコーチをしているので野球で例えると、「練習頑張れ。」ってただ言うのではなく、「チャンスでヒットを打てるようになりたいよね?」という風に言うことによって選手のモチベーションを上げることができます。このようにモチベーションを上げることがリーダーの仕事で、地域行事にも当たり前のように参加させるのではなく、各自のモチベーションを上げてあげることが大事なことです。
最後に
今回は地域コミュニティ活性化の方法について教えていただきました。今回の記事を参考にしてみてください。同じインタビューで同じく地域おこし協力隊の松戸さんも記事を書いてますのでそちらも読んでみてください。
