地域を支える職業あれこれ ~地域活性化コンサルタント・地域おこし協力隊・地域活性化企業人とは~

 こんにちは、まつきおです!近年、地方創生への関心が高まり、地域活性化に関わる仕事も多様化しています。地域にかかわる職業はいろいろありますが、「地域活性化コンサルタント」「地域おこし協力隊」「地域活性化企業人」なんて言葉を聞いたことはありますか?ちなみに「地域おこし協力隊」は、わたしが現在就業している働き方の一つで、山口市には令和7年4月現在、10名の協力隊が活動していますよ~!

 地域にかかわるお仕事ではありますが、それぞれの立場や関わり方には大きな違いがあります。本記事ではそれぞれの特徴や違いについて詳しく解説しますね!

目次

地域おこし協力隊とは?

地域と密接にかかわりをもち、地域を盛り上げる!

 地域おこし協力隊は、地方自治体が募集し、都市部からの移住者が地域活性化に取り組む制度です。3年間の任期を基本として、地域の課題解決や振興活動を行います。 活動内容は自治体や地域のニーズやミッションによって異なりますが、農業や漁業の支援、観光PR、移住促進、イベントの企画・運営などが代表的なものとされています。地域の人々と密接に関わりながら、地域のために直接行動することが求められます。

 例えば、「地域に若者の移住者を増やしたい!」という自治体の課題があったとします。その場合、協力隊はSNSやウェブサイトを使って町の魅力を発信したり、移住希望者向けのツアーを企画したりします。また、移住後に定住しやすいよう、空き家の活用や仕事のマッチング支援を行うこともありますよね。

地域に暮らし、地域と同じ目線で、地域の未来を考えアクションをおこす!

 協力隊の最大の特徴は、「その地域に住むこと」です。地域の人々と同じ目線で生活し、地域の魅力や課題を肌で感じながら活動することで、より現場に即したアイデアや行動が生まれます。そして、任期終了後もその地域に定住し、起業や就職をする人も多いのです。ただし、地域の受け入れ体制や協力隊本人の姿勢によって、活動の成果に差が出るのも事実!地元住民との関係づくりや、自ら行動を起こす力が必要になってきます。

実例:阿東で活躍する地域おこし協力隊(廣田和也隊員)

ワーケーションで来た方と、現在新事業立ち上げ予定の古民家を改修する廣田隊員

  わたしを始め、阿東地域では現在3名の協力隊が在籍し地域づくりにかかわり活動を行っています!ミッション「支え合いの中で誰もが笑顔で暮らせる地域づくり」を掲げ、活動している廣田隊員について今日はちょこっと!紹介したいと思います。

 出身下関市の廣田隊員は令和4年度から着任し、趣味はDIY!協力隊として中間支援団体であるほほえみの郷トイトイでの業務に従事し、阿東地域で暮らす中で「空き家問題」についてどげんかせんといかん!と立ち上がりました。地域の小さなニーズにこたえるため「ピロタ工房」として、草刈りからちょっとした木工製品の制作(例:玄関口の昇降台の制作など)など得意なことを生かして、地域の困りごとを解決しようと活動しています!

 隊員自身の得意なことを生かして、地域課題に対して地域に新しい可能性を見出す…!任期は3年間あるため、地域と伴走しながら地域と密接な関係づくりができるため、協力隊の(自治体によって異なりますが)ここ山口市の定住率は他の自治体と比べ高いとされてます。

地域活性化コンサルタントとは?

多岐にわたり活躍するコンサルの専門家

 地域活性化コンサルタントは、地域の課題を分析し、解決策を提案・支援する専門家です。行政や企業、地域団体などから依頼を受け、戦略立案やマーケティング支援を行います。地域資源の活用や観光振興、移住促進など、多岐にわたる分野で活躍していますよ。

自治体の要望によってさまざまなプロモーションを思案

 例えば、観光業を活性化させたい自治体からの依頼を受けた場合、その地域の魅力を再発掘し、ターゲットに合ったプロモーション戦略を策定します。SNSを活用した情報発信、地域限定商品の開発、観光イベントの企画など、具体的な施策を提案することが求められます。

地域の未来をデザインし、新しいビジネスを生み出す

 また、地域に新たなビジネスを生み出す支援も重要な役割の一つです。特産品のブランド化、地元企業との協業、新しいビジネスモデルの構築など、地域経済を活性化させる取り組みが求められます。コンサルタントは1つの地域に長く関わる場合もあれば、短期間のプロジェクトとして活動する場合もあります。専門知識を活かしながら、地域の未来をデザインする仕事といえるでしょう!

地域活性化企業人とは?

企業のノウハウを地域で活かす

 地域活性化企業人は、民間企業の社員が一定期間、自治体や地域団体に派遣され、地域活性化の業務に従事する制度です。「企業のノウハウを地域に還元し、地域課題の解決につなげる」ことが目的であり、企業と自治体の連携を深める狙いがあります。

企業人としてのビジネススキルを発揮し、地域へ貢献

 例えば、大手メーカーの社員が自治体に派遣され、地域特産品のブランディングや販路開拓を支援するケースがあります。また、IT企業の社員が地域のデジタル化を推進し、観光や農業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組むこともあります。企業人としての専門知識やビジネススキルを活かしながら、地域に貢献することが求められますね。派遣期間は1~3年程度が一般的で、その後は元の企業に戻る場合と、地域に残って活動を続ける場合があるようです!

実例:阿東で活躍する地域活性化企業人((株)アイシン 後藤浩二さん)

実証実験として徳佐りんご園内での草刈りロボットでの草刈り実証の様子

 株式会社アイシンの後藤浩二さんは、山口市に派遣された地域活性化企業人!​アイシンでは主に、​車載半導体の生産技術開発や人工知能・車載センシングの先端技術開発、電気自動車(EV)開発などに従事されていました。令和3年7月からアイシンが阿東地域で取り組む生活を豊かにする実証実験に参加し、令和5年9月に山口市役所で辞令交付式が行われ、後藤さんは阿東総合支所地域振興課に「地域活性化企業人」として配属されました。

 後藤さんは、これまでの経験を活かし、阿東地域の課題解決や交流人口の創出に向けた取り組みを推進しています。具体的には、交通弱者の交通手段確保、高齢化が進む農業従事者の負担軽減、三谷ふれあいセンターの活用方法の検討など、多岐にわたる活動を行っています。また、阿東中学校の総合学習にも関わり、株式会社ユニックとの提携しラジコン草刈機の機能検討などを通じて、地域の子どもたちと共に地域課題の解決に取り組んでいます!

 後藤さんは実際に阿東地域に暮らしながら地域課題を企業で培ったノウハウを活かし、地域の皆さんと協力しながら、阿東地域の活性化に大きく貢献しています。今後のさらなる活躍が期待されますね!

3つの職業の違

 それぞれの職業の違いを表にすると以下のようになります!同じ「地域を盛り上げる・支援」するお仕事でも、その違いはさまざまですね。

「地域を支える」さまざまな仕事のカタチ

 こうした「地域を支える」さまざまな仕事は、その特性に応じて地域との関わり方が異なることがよくわかりましたね。地域に深く入り込んで直接活動したいなら「地域おこし協力隊」、専門スキルを活かしながら広く支援したいなら「地域活性化コンサルタント」、企業の知識を活用して地域に貢献したいなら「地域活性化企業人」…と、自分の強みや目標に合わせて選ぶことが大切!

 地域活性化に関わる方法はイロイロですが、どの立場であっても「地域を良くしたい!」という思いが根底にあることは共通していると思います。自分に合った関わり方を見つけ、地域の未来をともに創っていきたいものですね。

筆者(サイト運営者)

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