地域の声から生まれた「トイトイ工房」~地域の小さな声を形に~

 こんにちは、まつきおです!地域づくりやソーシャルビジネスに携わっていると、計画通りに進むことばかりではなく、予想もしなかったニーズに気づくことがありますよね。実際、私、まつきおが地域おこし協力隊で支援団体としてお世話になっている「ほほえみの郷トイトイ」でも、地域のビジョンを掲げて、地域の声やを拾いながら新しい事業を生み出してきました。その一つが「トイトイ工房」です!今日は、その誕生の背景をご紹介しちゃいます!

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地域拠点トイトイの立ち上げと移動販売車の始まり

 かつてJAの跡地だった場所に、ミニスーパー機能を備えた地域拠点を立ち上げました。このほほえみの郷トイトイ自体がオープンした背景も、地域唯一のスーパーの撤退!という背景から小さな地域の拠点として開設されました。その内容については関連記事をご参照ください~!

 トイトイを立ち上げて1年後…地域の小さな声を拾っていくと「免許返納により買い物にいけない」「公共交通機関での移動は不便で自力で買い物には行きづらい」などトイトイに地域の声が寄せられたのをきっかけに、地域の買い物支援や見守りのため、移動販売車を走らせることが決まりました。しかし、初期資金が少なかったため、移動販売車事業のワゴンRに日配品を積み込むという形でスタートしました。

「手作りのお惣菜がほしい!」という声から

 移動販売車には、運転手だけでなく、ミニスーパーのレジ係をはじめ、地域のおばちゃんにも同乗してもらいました。販売だけでなく、地域の人と会話をすることで、どんなものが求められているのかを直接聞くことができたからです。

 そんな中で、利用者から「手作りのお惣菜がほしい」という声を聞くようになりました。阿東地域には徳佐地区にマルキューというスーパーがありますが、一人暮らし向けの小サイズのお惣菜は当時なく、一人暮らしの高齢者にとっては不便な状況だったようです。そのため、「ちょうどいいサイズのお惣菜があれば嬉しい!」「おいしい手作りのお惣菜を販売してほしい!」というニーズがでたのです!

ひとりの地域住民の提案が事業を動かした

 すると、移動販売車に同乗していた地域のおばちゃんの一人、のちのトイトイ工房の親分となる徳重さんが、「私がお惣菜を地域のために作りましょう」と声を上げました。徳重さんは以前、徳重商店で仕出し弁当を作っていた経験があり、営業許可を取得すれば、正式にお惣菜を作れるというのです。

 ちょうどその頃、地域拠点の運営や移動販売車事業の拡大で資金繰りに追われていました。特に、移動販売車事業は当初、実証実験として一定期間で終了する予定でしたが、利用者が増えたことで継続が決定。需要はあるものの新しい事業に大きく投資する余裕はトイトイにはなかったのです。

 そんな中、徳重さんが「商店でお惣菜を製造して、それをトイトイへ委託して販売する形でもいいから始めたい」と申し出てくれたのです!ノーリスクで地域のニーズに答えられるため、トイトイにとっても大きなメリットがありました。地域のニーズに応えながら、新たな負担をかけずに事業を広げることができる。こうして、ミニスーパーへ手作りのお惣菜が並ぶことになりました。

需要の高まりと「トイトイ工房」の誕生

 ミニス―パーでお惣菜の販売が始まると、想像以上の反響がありました。同年8月には、移動販売車に冷蔵庫を搭載し、手作りしたお惣菜を販売できるようになりました。これにより、売り上げはますます伸び、利用者の満足度も向上していきました!

 そして、1年ほどが経過し、年間の売上規模も見えてきました。個人商店のキッチンで製造できる数には設備的にも限界があったため、「トイトイに設備を整えて、もっと本格的にお惣菜作りを進めよう!」という話になり、「トイトイ工房」の設立へとつながっていったのです。

地域の声を拾い、形にすることの大切さ

 トイトイ工房誕生の背景を振り返ると、「地域の声を拾い、それに応える形で事業をつくることが、地方のビジネス成功の鍵になる」ということです。計画を立てることも大事ですが、実際に動きながら、新たなニーズに柔軟に対応していくことが求められますよね!

 何かを始めると、必ず新しい課題やチャンスが生まれてきます。その声に耳を傾け、小さな一歩から行動を起こすことが、地域づくりやソーシャルビジネスを成功させる秘訣だと実感しています。

 皆さんの地域でも、少子高齢化や空き家、といったどの地域にも抱えている地域課題の中に埋もれた「こんなニーズがあるかもしれない」とピン!と思うことがあれば、ぜひその小さな声を拾って、ソーシャルビジネスとして形にし、地域課題解決へチャレンジしてみたいですね!

筆者(サイト運営者)

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