こんにちは、まつきおです。都会ならコンビニやスーパーはいたるところにあるわけですが、阿東のような農山村地域は、ほいそれと最寄りのコンビニにいくのも歩いてはいけません！コンビニはないものの、わたしが地域おこし協力隊として所属する中間支援団体「特定非営利活動法人ほほえみの郷トイトイ」が地福地域にあります！
この「トイトイ」の誕生のきっかけは、地福地域にあった唯一のスーパーの撤退！地域には「え！お買い物できる場所がなくなったらどうすればいいの？！」と激震が走りました。そんな中、「不安を安心にかえるため、地域に必要なものはなにか」を考え、地域の「小さな拠点」としてほほえみの郷トイトイが誕生しました。今回は今や地域に不可欠となったトイトイがどのようにして誕生したのか、お話していきたいと思います！
地域唯一のスーパーの撤退、山口市へ編入合併（平成の大合併）
「特定非営利活動法人ほほえみの郷トイトイ」の前身はJAのAコープのスーパーでした。その当時、阿東地域内には地福地域を含めて4つAコープがあり、途中「マリン」というスーパー参入したものの、嘉年地区・地福地区は経営不振により最終的には撤退してしまいました。
スーパー撤退当時、同年2月には「平成の大合併（阿東町が山口市編入合併）」もあり、地域に大きな変化が立て続けに起き落ち着かない時期でもありました。
一市役所職員であった高田さん、揺れ動く阿東の情勢
合併により新設される阿東総合支所、生まれ育った阿東のことを考えると、地域の意向をよりよく汲み取るために阿東とのかかわりがあり、知っている人に残って地域を見守ってほしいと考えていました。そんな思いとはうらはらに、市役所が主導権を握り「地域づくり」に対してあまり熱意のある職員が合併後、残っているとはいえませんでした。「阿東のため」ではなかった市役所職員退職
高田さん自身はその当時、まだ市役所職員として勤務していました。役場に勤務していた頃と比べ、地域の方との距離感が違うこともあり「このまま勤め続けるべきか」と感じることも…。上司からは「とりあえず3年いてくれないか」といわれていましたが、40歳という年齢を考えたとき、辞めるなら今しかない！と退職を決意したそうです。
平成の大合併やスーパー撤退と大波乱など、阿東の大きな変化があった同年3月を退職のタイミングとして考えていましたが、退職する理由は「阿東のために」というわけではなかったそうです。
スーパー撤退を受けて…地福地域づくり協議会の協議はじまる
地域の老人クラブ、JA女性部、地福婦人会など各団体の代表が集まる「地福地域づくり協議会」で、地域唯一のスーパーが撤退したことを受けて会議が開かれることとなりました。
議会が開かれた当初は、「スーパーがなくなった＝スーパーの跡地でお店をやってくれる人を探す」ことになりました。そのため、コープやまぐちに相談にいきスーパー誘致をお願いし、一度は話がまとまりかけたものの、「JA（コープの競合相手）があった跡地に、コープ参入」がネックとなり話は白紙に！
「企業の店舗誘致が厳しいのであれば、地域でお店をやる」という意見もでたものの、いざ事業をする！となると、「わたしがやります！」と声を挙げてくれる人はなかなかいなかったそうです。
議会頓挫による地域の危機！発想の転換と新プロジェクトメンバー発足
議会は月2回、市役所職員や県庁職員を含めて行われていたものの、スーパー撤退から早1年近くが経っても結論がでないままの状態。意見を出し尽くした！と、議会は頓挫してしまいました。
「このまま諦めるわけにはいかない」…と会長である原田さんが長安正己さん（現トイトイ会長）、高田さん（現トイトイ事務局長）はじめ、協議会外の地域の5名の方の知恵を借りることになりました。
ゆめタウンなどスーパー事業を展開する企業へ相談をしに行ったこともありますが、「地福地域でのスーパー経営は難しい」という意見もありました。「スーパーがなくなった」ことを「スーパーをつくる」ことで解決しようとしていましたが、それは困難ではないかという結論に至りました。
補助金など公的なお金を得るために「地域スーパー開業」のために行政を動かすことは難しいと考え、発想を転換して「地域のコミュニティの拠点」設立を目的として、スーパー機能はあくまでも付随するかたちで計画を立てました。
こうして「地域のコミュニティの拠点」設立を目指し、高田さんを含む地域のキーパーソン数名とで発足し、スーパー撤退から1年ほど経過した頃、やっと動き始めることとなりました！
「地域のコミュニティ拠点」設立へ向けて、つづく
地福地域唯一のスーパーの撤退、ただひとつ、暮らしの中の当たり前だったものがなくなっただけなのに、その課題解決の出口をみつけ、動き始めるまでに約1年もかかってしまいました。すでにほほえみの郷トイトイが誕生してから11年が経ちますが、もし議会が頓挫したままで、何もアクションを起こせなかったら地域として頓挫したままだった」のではないか…とほほえみの郷トイトイ誕生のきっかけを記事にしながら感じています。
この記事ではスーパー撤退～「ほほえみの郷トイトイ」プロジェクトメンバー発足までをご紹介しました！ぜひ、ほほえみの郷トイトイ誕生についての他の記事もご覧になってくださいね～！
